森林所有者になりました
- yamagataforester
- 2025年12月28日
- 読了時間: 5分
更新日:2 日前
この度、山形県南陽市某所の森林を購入し、森林所有者になりました。
「山を買うなんて一部の人だけの話」と思われがちですが、近年は相続だけではなく、土地取引のマッチングサイトの普及などにより、一般の方が所有するケースも増えているように感じます。
この記事では、私自身の体験をもとに、山林を購入する際に最低限確認しておきたい法令や手続きなどをまとめています。
まず、よく使われる「山林」と「森林」という言葉の違いを整理します。「山林」は登記簿上の地目の一つで、日常会話でも広く使われています。一方、法律上では「森林」という言葉も使われます。この記事でいう「森林」とは、森林法第5条に規定される「地域森林計画の対象森林」を指しています。登記簿上で「山林」となっていても、森林法上の「森林」であるとは限りません。
1. まずは登記簿をチェックしよう
森林を購入する際、まず最初に行っていただきたいのが「登記簿(登記事項証明書)」の確認です。オンライン申請もできて郵送受取でも1筆あたり520円です。
特に以下の3点は、契約前に必ず確認すべき重要ポイントです。
①売主と所有者が一致しているか
森林整備の現場では、管理している人と登記上の所有者が違うケースがよくあります。「昔、口約束で交換した」という話も珍しくありませんが、登記が未完了だと所有権移転がうまくできず、トラブルの元になります。
②「地目」による制限を確認する
「保安林」であれば伐採や開発に制限がかかり、「農地(田・畑)」であれば農業委員会の許可が必要になります。自分の利用目的に合う土地かどうかをまず地目で判断しましょう。
③所有権以外の権利(地役権や抵当権)の有無
例えば高圧線が通っていて「地役権」が設定されていると、建物の設置が制限されたり、勝手に立木を切られたりすることがあります。また、借金の担保(抵当権)が入っていないかも見ておくことに越したことはありません。
2. 境界をチェックしよう
もう一つ重要なのが境界です。地籍調査が完了していてすぐに場所が特定できる地域もあれば、今回の場所のように調査が進んでいない地域もあります。境界が曖昧な場合は、購入前に状況を把握しておくことが大切です。
最近では、正確な測量と調査に基づいて作成された登記所備付地図の電子データがG空間情報センターで一般に公開されており、民間サービスを通じて誰でもスマホやPCから簡単に確認できるようになりました。この地図が配備されているのは全体の半数程度と言われており、山林はより低い傾向にありますが、参考になるので使ってみてください。
3.法令関係をチェックしよう
そして、山形県内の山林を売買する場合、主に次の3つの法令を確認する必要があります。それぞれ対象となる山林や届け出の時期、届出者や届け先が異なるため、事前確認がとても重要です。
① 山形県水資源保全条例
【ポイント】水源を守るために特定地域の山林の売買には事前届出が必要
「水資源保全地域」内の山林を売却する場合、売買の2か月前までに届出が必要です。
届出の時期:売買の2か月前まで
届出者:前所有者(売主)
届け先:県(総合支庁環境課)
詳しくは下記を参照してください。
②国土利用計画法
【ポイント】1ha以上の山林の売買には届出が必要
一定面積以上の土地取引については届出が必要です。山林の場合、多くは都市計画区域外となるため、面積が10,000㎡(1ha)以上の場合に該当します。
届出の時期:契約締結日を含めて2週間以内
届出者:新所有者(買主)
届け先:市町村の担当窓口
詳しくは下記を参照してください。
③森林法
【ポイント】面積に関係なく森林を取得したら原則届出が必要
個人・法人を問わず、売買や相続などにより森林の土地を新たに取得した場合、面積に関係なく届出が必要です。ただし、②の国土利用計画法に基づく届出を行っている場合は不要となります。
届出の時期:森林の土地の所有者となった日から90日以内
届出者:新所有者(買主)
届出先:市町村の担当窓口
詳しくは下記を参照してください。
これら3つの法令は、対象となる区域がそれぞれ異なります。売買を進める前に、県や市町村の担当部署に確認することがとても重要です。早めに相談しておくことで、「届出漏れ」や「後から指摘される」といったトラブルを防ぐことができます。
今回の私の場合は、①の水資源保全地域内ではなく、面積も0.4ha程だったので、②にも該当しませんでした。よって、③森林法の届出を南陽市農林課林務係に提出しました。事前に対象となる森林か確認し、届出の内容もメールで送って確認してもらいました。そして、届出には押印が必要だったので、原本を別途郵送しました。
いかがでしたか?無事に契約が済んだら登記申請も忘れずに。少し面倒に感じることもあるかもしれませんが、適正な手続きで森林ライフを楽しみましょう♪
最後におまけです。
〇不動産取引のアンケート調査
登記後しばらくして、国土交通省(委託先の日本不動産鑑定士協会連合会)から不動産取引に関するアンケートが郵送で届きました。これは、適正な地価の形成等を図るために不動産取引の実例を収集する調査とのことです。ちなみに購入した6筆のうち対象となったのは4筆でした。
オンラインでも回答できます。
〇森林組合への加入
森林組合は、森林組合法によって設立され、森林所有者が組合員となって組織されている協同組合です。管轄している森林組合に問い合わせをすると、加入の手続きを教えてくれます。加入するためには出資金が必要です。私が加入した米沢地方森林組合は1口千円でした(何口でも可)。
県内の森林組合については下記を参照してください。
〇不動産の相続登記の義務化
令和6年4月から不動産の相続登記も義務化されています。相続で新しく所有者になった方も③の届出の対象となりますので、忘れずに手続きをしましょう。
詳細は下記を参照してください。




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