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第1回現地研修を開催しました

  • iyota3
  • 2024年11月30日
  • 読了時間: 4分

 2024年11月24日(日)に第1回現地研修を開催しました。


 研修の内容は、チェンソーによる伐木造材作業です。私たち会員は、伐木造材が主たる業務では無いのですが、森林組合、林業事業体、そして、農林大学校等の学生たちが安全に伐木作業できるよう指導するため、このような研修による研鑽が必要です。


 講師をしてくださったのは、森林組合で伐木造材作業に携わり、チェンソーの特別教育の講師も長年勤めていらっしゃる青年林業士の方。そして、山形県森林総合監理士会の会長です。会長は、農林大学校の担任として伐木の指導をし、伐木チャンピオンシップにも出場していらっしゃる方です。


 伐木作業を行う林業は、労働災害が非常に多い業種で、災害発生率が全産業平均の10倍という、とんでもない業種です。そのため、新たに林業技能検定が創設された、という説明もしていただきました。





 なるべくリスクを減らして安全な作業を行い、労働災害を無くすことが今回の研修の主な目的です。自分も怪我しないし、もちろん、仲間にも怪我をさせない!作業中は、樹高の2倍以内は立ち入り禁止です。



 チェンソーを安全に操作するため、まず、チェーンブレーキを確実にかけます。ブレーキ解除は切削作業の時だけです。伐り終わった時に惰性で動いている歯を足などに当ててしまう事故があり、そのような事故を防ぐために伐り終わったらすぐに手の甲でブレーキをかけます。

 ほかには、3点支持によるエンジン始動、キックバックへの対応について教えていただきました。



 説明の後は実習です。今回伐る木は河川敷の支障木で、樹種はニセアカシア、ヤナギ、キリなどでした。スギと違い、広葉樹は枝の張り方がさまざまで、伐倒が難しいです。



 まずこの木を伐りました。重心、枝張りはどうか、つる絡みがあるか、腐れは無いか等を入念に確認します。つるは隣の木にも絡まっていることもあり、伐倒の時にとても危険です。また、枯れ、腐れがある木は、どこに倒れるか予想が難しくなります。



 この裂け上がりが起こりやすいのも広葉樹です。強風時はスギでも起こるそうです。

 そのため、広葉樹は応用的な伐り方が必要で、「追いづる伐り」、「ガターカット」についても教えていただきました。



 これはフェイスカットといって、伐倒方向に平らな面をつくります。切り込み位置や距離の確認がしやすくなります。フェイスカットは伐倒方向(受口方向)だけでなく、ツルの右側、左側の合計3箇所行うと良いそうです。



 受け口が伐倒方向を向いているか、水平に伐れているかの確認は差し金を当てると分かりやすいです。チェンソーの歯に水準器を置くのもオススメです。スマートフォンに水準器アプリがついていたりもします。

 自分では水平に伐っているつもりでも、そうなっていないことが多く、チェンソーの操作は頭で考えるだけではできないことを実感します。「身体知」です。



 また、伐倒方向を確認するのに用いるガンマークについて、ハスクバーナのガンマークは15m先の伐倒方向に合うような設計なのだそうです。



 受口は、正確な折れ曲がり線(会合線)をつくることにより、狙った伐倒方向に倒すことができます。折れ曲がり線については、


①方向は伐倒方向に垂直

②明確な一本の直接であり、水平にする

③十分な長さがある(直径の80%)


これら①〜③が必要です。

会合線が一直線にならなかったり、下や斜めに切りすぎてしまうと、伐倒方向が狂うだけでなく、ツルが機能しなかったりしてとても危険です。

 また、受け口の角度は45から60度が良く、それよりも狭いと途中でツルがちぎれるそうです。



 伐根を見ると、ツルや切り口の様子が残っているので、どんな伐採をしたかが分かります。



今回、広葉樹を追い伐りをして、クサビをいれてハンマーで叩いても、うまく倒れないことがたびたびありました。そのような時の方法として、「ガターカット」があり、教えていただきました。


 ガターカットは、受口を刻むまでは通常と一緒ですがその後、その受け口側からチェンソーを突っ込み切りし、反対側からクサビを打ち込みます。クサビの少し上の左右をチェーンソーでカットして追い口を作り、クサビをさらに打ち込めば木が倒れます。小径木に向いている方法です。



ガターカットの切り株はこのような感じです。



 伐木は危険な作業で、しかも広葉樹は難しい、と尻込みしていましたが、「とにかく経験を積んだ方がいいよ」と励ましていただきました。教えていただき、ありがとうございました。




 この研修は、「令和6年度山形県自己啓発支援事業費補助金(グループ活動事業)」を活用しました。



(文責 齋藤朱美)


 
 
 

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